拠点で行っていること、成長、事件の記録
このたび、湯河原水耕栽培研究所のウェブサイトをリニューアルオープンしました。
これまで研究所内で行ってきた栽培試験や環境データの収集結果を、より分かりやすく発信するためにサイトを刷新しました。
今後は、
などを、ブログ記事やニュース記事として掲載していく予定です。
いちごの水耕栽培に関する研究を進めながら、成功事例だけでなく失敗や試行錯誤についても発信していきます。
これから研究内容や栽培の様子を随時更新していきますので、ぜひご覧ください。
今後とも湯河原水耕栽培研究所をよろしくお願いいたします。
ついに湯河原水耕栽培研究所で、いちごを収穫することができました。
まだ少し小ぶりではありますが、実際に食べてみると味は良好で、甘みもしっかり感じられました。
これまで種まきから育苗、環境管理、養液管理など様々な試行錯誤を続けてきましたが、こうして実際にいちごが実ると嬉しいものです。
現在の栽培状況
収穫できた実はまだ多くありませんが、株の状態を見ると花がたくさん咲いています。
そのため、これから順次実が大きくなり、収穫量も増えていくことを期待しています。
ここからが本番
今回収穫できたことで、
などが一定の成果につながっていることを確認できました。
一方で、
など、まだまだ改善できる点も多くあります。
今後の目標
これから収穫が本格化していく時期になります。
環境データや養液データと収穫量・品質の関係を確認しながら、より良い栽培条件を探していきたいと思います。
研究所で最初のいちごを収穫できた記念すべき一日となりました。
6月19日に播種した「よつぼし」の種の発芽状況を確認しました。
播種から2週間が経過した時点で、72粒のうち22粒が発芽しています。
現在の発芽状況
なお、まだ葉は展開していないものの、根が出始めている個体も複数確認できています。
そのため、今後さらに発芽率は上昇すると考えています。
今後の予想
これまでの経験から、いちごの種は発芽時期に大きな個体差があります。
早いものは1週間程度で発芽しますが、遅いものは1ヶ月近くかかることもあります。
現在の状況を見る限り、
程度まで発芽率が上昇するのではないかと予想しています。
引き続き観察します
発芽率だけでなく、
なども継続して記録していきます。
同じ環境で育てていても個体差が大きく現れるため、その違いがどこから生まれるのかも観察していきたいと思います。
今回は失敗談です。
水耕栽培では、栽培を続けていると養液のpHが上昇する傾向があります。
そのため、pHを適正範囲に調整するために「ダウン剤」と呼ばれる薬剤を利用します。
pHを下げすぎました
今回、ダウン剤の投入量を誤り、pHを下げすぎてしまいました。
その時は、
「そのうちpHも上がってくるだろう」
と思い、そのまま様子を見ることにしました。
ところが予想とは異なる結果になりました。
さらにpHが下がるという事態に
おそらく、いちご自体が低いpH環境によってストレスを受けたことで、養液の状態にも変化が起きたのか、さらにpHが下がるという状況になりました。
気付いた時には想定以上にpHが低下しており、その状態が続いてしまいました。
苗への影響
そのまま約1週間ほど経過した結果、苗はかなり傷んでしまいました。
などの症状が見られました。
普段は「EC」や「肥料成分」に目が向きがちですが、改めてpH管理の重要性を実感する出来事となりました。
新たな知見
今回の失敗から、
苗が小さい時期ほどpHの影響を受けやすい可能性がある
という仮説が生まれました。
成長した株と比較して根量が少ないため、養液環境の変化に対する耐性が低いのかもしれません。
もちろん今回だけで結論を出すことはできませんが、今後の研究テーマの一つとして継続的に調査していきたいと考えています。
失敗は痛いですが、こうした経験も研究の大切なデータです。
同じ失敗を繰り返さないように記録として残しておきます。
昨日の記事で紹介した除湿機による水の循環システムですが、さっそく予想外の問題が発生しました。
除湿機を利用して回収した水をタンクへ貯める仕組みを作ったところ、植物が消費する水の量よりも、除湿機によって生成される水の量の方がはるかに多かったのです。
その結果、わずか1日で約25リットルもの水が溜まり、タンクがあふれる寸前になっていました。
カメラのおかげで早期発見
幸い、研究所内の様子を確認するためにカメラ機能の準備を進めていたため、異常に早く気付くことができました。
もし発見が遅れていたら、水漏れによる設備被害が発生していた可能性があります。
緊急対策
今回のトラブルを受けて、以下の対策を実施しました。
1. 水位が一定以上になったら給水を停止する
タンク内の水量が増えすぎた場合、自動的に水が流入しない仕組みを追加しました。
2. 遠隔で除湿機を停止できるようにする
万が一異常が発生した場合でも、研究所へ向かわずに対応できるよう遠隔操作機能を準備しました。
3. 水漏れしても電気系統へ影響しない構造にする
完全にトラブルを防ぐことは難しいため、水があふれた場合でも被害を最小限に抑えられるよう配置を見直しました。
今後の改善予定
今回は急ぎで対策を行ったため、見た目や構造はあまりスマートではありません。
今後はフロートスイッチを利用し、水位が一定以上になったら自動的に弁を閉じる仕組みに変更する予定です。
研究を進めていると、「うまくいくこと」よりも「想定外のこと」の方が学びになることがあります。
今回も、水の循環システムを実際に運用してみたことで、新たな課題を発見することができました.
チップバーンの発生をどこまで抑制できるのかを確認するため、カルシウム葉面散布の効果測定を開始しました。
チップバーンは、いちご栽培において品質低下につながる重要な課題の一つです。
今回は実際にチップバーンが発生している株を使用し、葉面散布による改善効果を比較していきます。
実験内容
チップバーンが発生している2株を用意し、
という条件で経過を観察します。
観察するポイント
今後は以下の項目を中心に比較を行います。
特に、新たなチップバーンの発生を抑えられるのかに注目しています。
今後の予定
一定期間観察を続け、葉面散布の有無による違いを記録していきます。
良い結果だけでなく、期待した効果が得られなかった場合も含めて公開し、実際の栽培に役立つデータとして蓄積していく予定です。
研究所内に除湿機を設置し、回収した水を水耕栽培に活用する仕組みを作りました。
除湿機は空気中の水分を集めてタンクに溜めるため、その水を有効活用できないかと考えたのがきっかけです。
仕組み
除湿機で回収した水をタンクに貯め、その水を水耕栽培用の補給水として利用します。
植物が蒸散した水分を再び回収し、栽培に利用することで、水の循環を促進することを目指しています。
期待していること
この仕組みによって、
といった効果を期待しています。
今後確認したいこと
除湿機で回収した水は、一見すると非常にきれいに見えます。
しかし実際に栽培へ利用するためには、その水質を把握する必要があります。
今後は、
などを測定し、どの程度純水に近い性質を持っているのかを確認していく予定です。
将来的には、水の循環効率や栽培への影響についても調査していきたいと考えています。
以前の記事でも触れていましたが、養液中のリン酸の測定を開始しました。
これまで取得していた硝酸イオン、カルシウムイオン、カリウムイオンに加え、リン酸のデータも蓄積していきます。
使用している測定機器
今回使用しているのは、ハンナインスツルメンツ様の吸光光度計です。
この機器は非常に優れており、リン酸だけでなく様々なイオン濃度を測定することができます。
吸光光度計とは?
吸光光度計は、試薬を加えたサンプルに光を当て、その透過量や吸収量から成分濃度を測定する機器です。
センサーのように連続測定はできませんが、高い精度で測定できることが大きな特徴です。
測定の手間と精度
測定には専用の試薬を使用する必要があります。
そのため、
といった手順が必要になり、自動取得できるデータと比べると手間はかかります。
しかし、その分だけ精度の高いデータを取得できるため、研究用途としては非常に有効な方法だと考えています。
今後の活用
リン酸は植物の生育において重要な栄養素の一つです。
今後は、
などを継続的に記録し、データとして蓄積していく予定です。
研究所に到着すると、思わぬトラブルが発生していました。
実は家を出る前にアプリでセンサーの値を確認していたところ、湿度が100%近くになっていることに気付きました。
「何かおかしいな……」と思いながら研究所へ向かうと、現場は水浸しになっていました。
どうやら何らかの原因で水が漏れ続けていたようで、床には大量の水が広がっていました。
センサーが異常を教えてくれた
今回、最初の異変に気付けたのは環境センサーのおかげでした。
湿度が急激に上昇していたことで、研究所内で何かが起きていることを事前に察知することができました。
センサーの値を日常的に確認していると、このような異常の早期発見につながることがあります。
水耕栽培と水害
水耕栽培を行う以上、水漏れやオーバーフローといったトラブルは避けて通れません。
など、さまざまな原因で水害が発生する可能性があります。
今回もその洗礼を受けることになりました。
復旧作業
まずは被害拡大を防ぐため原因箇所を確認し、その後はモップと雑巾を使ってひたすら掃除です。
朝から予定外の作業になりましたが、大きな設備故障や苗への被害はなかったため一安心でした。
こうしたトラブルも含めて、水耕栽培の運用経験として蓄積していきたいと思います。
予定
漏水感知用のセンサーを準備をしようと思います。
いちごの生育状況を把握するため、日々さまざまなデータを取得しています。
データには、センサーによって自動で取得できるものと、人の手で測定しなければならないものがあります。
自動取得しているデータ
現在は栽培環境モニタリングシステムを利用して、以下のようなデータを自動で記録しています。
これらのデータは一定間隔で自動的に記録されるため、環境変化を継続的に追跡することができます。
手動で取得しているデータ
一方で、養液中の成分濃度については自動測定が難しいものもあります。
そのため、定期的に手動で測定を行っています。
現在取得しているデータは以下の通りです。
これらの値を確認することで、植物がどの栄養素をどの程度消費しているのかを把握できます。
今後取得したいデータ
今後はさらに詳細な分析を行うため、以下の成分についても測定を進めたいと考えています。
養液中の栄養バランスと生育状況の関係を継続的に記録し、どのような条件が良好な生育につながるのかを調査していきます。
いちごの育成環境を整えるため、栽培ラックを組み立てました。
今回導入したのは、エコゲリラ様のネオテラスを2台です。
まずは1台を使用し、2月27日に播種した「よつぼし」の苗を順次植え替えていく予定です。
導入設備
今後の予定
2月27日に播種した苗の中から生育状況を確認しながら植え替えを行います。
今後は以下のようなデータを継続して取得していく予定です。
栽培環境を一定に保ちながら、データと実際の生育状況を比較し、いちご栽培に影響する要因を調査していきます。
2026年4月に湯河原水耕栽培研究所をオープンしました。
これから「いちごの水耕栽培」に関する研究を行っていきます。本研究の目的は、栽培データと実際の生育状況を照らし合わせながら、いちごの成長に影響を与える要因を明らかにすることです。
研究内容
以下のような環境データを継続的に記録・分析します。
調査したいこと
例えば、
といった点をデータに基づいて調査していきます。
今後、研究の進捗や栽培データの分析結果についても発信していく予定です。
2月27日に播種した「よつぼし」の種が、発芽から約1ヶ月を迎えました。
同じ環境で育てていても、生育速度には大きな個体差が見られます。
発芽の早いものは播種から約1週間で発芽しましたが、遅いものでは発芽までに約1ヶ月かかりました。
発芽率
播種数:100粒
2週間後の発芽率:約84%
1ヶ月後の発芽率:約95%
発芽率だけを見ると、2週間の時点で多くの種が発芽していますが、その後もゆっくりと発芽する個体が存在していることが分かります。
観察してわかったこと
同じ温度・湿度・水分条件で管理していても、発芽のタイミングや成長速度には個体差があります。
発芽が早い株は本葉の展開も進んでいますが、遅く発芽した株はまだ小さな状態です。
今後は、- 発芽時期とその後の成長速度の関係
「よつぼし」の種を100粒播種しました。
発芽に適した環境を作るため、温度を一定に保ちながら発芽までの様子を観察していきます。
今回使用した水は、特別な処理を行わない一般的な水道水です。
今回の条件
品種:よつぼし
播種数:100粒
水:水道水
管理方法:一定温度で管理
目的:発芽率や発芽速度の確認
今後の予定
発芽後は以下のようなデータを継続的に記録していく予定です。